たいき

日記や考えたこと、面白い話を記録したい

カッコつけた話

最近といってもちょっと前、駐輪場で小銭がなかったのだろう女性が、「1000円札5枚持ってらっしゃいませんか」と。精算機は1000円以下しか飲み込まない。150円必要なのに小銭は100円一枚しかないらしい。残念ながら財布には両替できる紙幣がなかった。

 

彼女の顔は仕事疲れからか鬱屈とした表情で、コンビニに寄って小銭を調達する事さえ面倒になる程、早く帰りたいという気持ちを感じさせた。疲れた人を見ると少し、カッコつけたくなって
「じゃあこの50円、差し上げます」
「え、それは申し訳ないです」
「大丈夫ですよ。別に、50円ですから。」

 

彼女は驚きつつも受け取ってくれた。さっきより明るい表情で感謝を言って自転車に乗り、帰っていった。凄くハッピーな気持ちだ。良いことをした。
俺も自転車を出して帰ろう。駐輪料金分の小銭が財布になかったので、精算機に紙幣を飲み込ませた。お釣りは850円。まあ、カッコつけるとはこういう事だ。